土地活用
1970年以来の純貿易黒字分の累積のドルが、資金流出規制法のためにアメリカに還流して投資されることなく、日本に滞留して円に兌換されてバブルと円高をもたらし輸出産業に打撃を与えたため、日本政府は1990年に資金流出規制法を撤廃し、恒常的に純貿易黒字分をアメリカに還流させる円キャリーを実行しました。そして滞留していたドルが急激にアメリカに還流したためバブル崩壊となりました。
しかし、日本銀行(白川再生機構課課長のちの総裁)が銀行の合併と公的資金の投入により金融システムを維持して経済恐慌を防ぎました。その手法が、アメリカの2008年のリーマンショックとヨーロッパの金融リスクの救済に採用され、さらに中国のバブル崩壊と金融リスクの救済にも採用されました。
歴史的にこの方法により今後経済恐慌はなくなった、と考えられます。
この方法により日本は1990年以後も国内総生産GDPが落ち込むことなく成長を続けていたのですが、1997年と2014年の消費税値上げのたびに成長が腰砕けになり日本経済の失われた20年間が続きました。消費税値上げがなかったら現在の国内総生産GDP500兆円が600兆円になって税収も増加していた可能性があります。
1990年ごろのバブル当時には、純貿易黒字による円高により、日本人の給与所得は世界でもトップクラスになり、その後賃料の低いアジアの安価な製品の安値攻勢を浴びて物価が安くなる、という意味でのデフレ経済に入ったため、景気の良しあしにかかわらず物価が下がっています。海外からの安価な農産物の輸入のために農業が衰退し、農地の地価が下がり、宅地価格も下落しています。
企業や個人が土地や建物の所有を選ぶか賃借を選ぶかの問題があります。
長期的に続くデフレ経済時代には土地の資産価格は下がる一方なので、企業が土地に投資すると、担保力が減額となり、信用問題になります。
賃借りしたほうが得策となり、賃貸ビルの需要が安定しています。
土地を買うとしても、徐々に下がるので急ぐ必要がないのです。
デフレ経済の中で日本人の所得は20年間に10%下落しました。今後20年間に、さらに、10%下落するといわれています。
家賃は建築費に比例し、建築費は人件費に比例しています。そこで、家賃は人件費に比例して20年間に10%下がっています。しかし、物価はもっと安くなっているので、実質的な所得は毎年上昇しています。
そこで、安価になった家具をたくさん抱えて、広い住宅や広いアパートを求める傾向が大きくなっています。日本の1戸当たりの平均住宅面積はヨーロッパに追いついて38坪になっていますが、日本のアパートの1戸当たり平均面積は11坪であり、ヨーロッパの33坪に比べて狭すぎるのです。
今後、広いアパートを選択するテナントが増加するでしょう。当社の最近建築しているマンションは、1LDKの専有面積15坪、3LDK~4LDKの専有面積23~24坪です。
法人名義の賃貸ビルを建築すると、土地に借地権が設定されたことになり、土地についての相続税評価がほぼ半分になり、相続税が約30%以下になります。その上に家賃収入が発生するため、相続税の返済が可能になり、資産維持が容易になります。
この方法により、過大な投資をしなくても相続税対策が可能となります。
個人名義のアパートの建築費の相続税評価が50%であるため建築費の借入金との差額が赤字の相続評価になる、というメリットを求める方法があります。この方法は、15年ほど長生きして借金額が建築費の半分に減り、赤字評価がなくなると、相続税対策になりません。
また、家賃の上がらないデフレ時代には、将来の家賃値上がりを期待して無理な投資をすることはリスクになります。
日本技研建設は、顧客の皆様に喜ばれる近代的なビルを建築し、デフレ経済の中で採算に乗るビルを目指して十分なコスト管理を行っています。
グループ企業の日本地所倉庫とともに、この時代の流れに適確に対応し、豊富な企画力と技術力と知識を生かして、オフィスビル・配送センター・商業施設・マンション・住宅の企画、設計、施工を行い、1000棟を超えるビルの長期的運営を行っています。